建築士の処分基準を改正して公開。
99年12月、建設省は法律に違反した建築士を処分する基準を都道府県に通達し、一般に も公表した。これまでは行政側の内部基準だった。 16段階のランク制に 建築士法では、建築士が建築基準法や建築士法などの建築関連の法律、条例に違反した時、 建設大臣、都道府県が一定の懲戒処分を行えるとしている。処分には戒告、1年以内の業務停 止、免許の取り消しがある。設計にかかわる違反はもちろん、建設にかかわる違反でも建設業 者と建築士を兼ねていたり、共犯関係にある建築士は処分される。 処分基準は2級建築士の処分を行う都道府県の担当者が処分を効率的に行えるようにランク 制を採用した。ランクは16段階に分かれており、それぞれのランクごとに「戒告」「業務停 止1月」といった処分内容を決めた(表1)。最も重い16のランクは免許取り消しだ。一方 で、具体的な違反行為に対応した懲戒処分ランクも明らかにした(表2)。例えば、2級建築 士が本来はできないオフィスビルなどの設計を行った場合は、「設計及び工事監理の業務範囲 の逸脱」にあたり、処分ランクは6だ。これを表1の処分区分表と照らし合わせると、「3カ 月の業務停止」という処分となる。
【表1】処分区分表
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ランク |
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ランク |
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ランク |
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1 |
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5 |
業務停止2月 |
9 |
業務停止6月 |
13 |
業務停止10月 |
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2 |
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6 |
業務停止3月 |
10 |
業務停止7月 |
14 |
業務停止11月 |
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3 |
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7 |
業務停止4月 |
11 |
業務停止8月 |
15 |
業務停止12月 |
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4 |
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8 |
業務停止5月 |
12 |
業務停止9月 |
16 |
免許取り消し |
【表2】処分ランク表
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建築関連法令違反
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不誠実行為に関する業務 |
○現在の建築技術の水準に照らし不適当な設計 1〜4 ○依頼者の設計条件に違反 〃 ○依頼者の指示が不適切な旨の不教示 〃 ○契約の本旨に従って業務を執行しなかった 〃 ○業務契約の内容の説明不十分 〃 ○その他の不誠実行為 〃 |
注/「重」は重大な違反で最も重い処分が行われるもの。上記に記載のない行為は、上表に最も類似した行為 の例による。上表に情状を考慮して処分を加重、軽減することもある。 違反行為の中でも、重い処分が科せられる「重大な違反」には違反設計、工事監理の不履行、 名義貸し、確認通知書の偽造、確認を受けていない工事などがある。 建築士法では、法律には違反していなくても「不誠実な行為」があれば、処分できるとして いる。例えば、施主に無断で設計変更をしたり、常駐に近い工事監理を契約で約束していなが ら最低限の監理しか行わなかった場合などだ。これらは最大で1カ月の業務停止となる。 "再犯"にはさらに重い処分 複数の違反があった場合は、原則としていずれか重い方で処分する。また、処分を加重した り、軽減する場合もある。 違反が「過失」であれば、その程度に応じて軽減される。しかし、「重大な違反」と判断さ れた行為は、原則として軽減されない。過去に処分されたことがある建築士は表3のように、 新たな違反行為の処分ランクが1〜4段階上がり、より重い処分が科せられる。 基準に加えて、建設省では2000年3月末に実際の処分事例を一般に公開する予定だ。ま た、都道府県の担当者に向けて、「処分マニュアル」も作成する。処分手続きや法解釈に加え て、証拠を集める方法などもまとめるという。(解説:日経ホームビルダー1月号)
【表3】過去に処分などを受けている場合
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過去の行為が→ |
文書注意 |
戒告 |
業務停止 |
免許取消し |
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今回、文書注意に相当する場合 |
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+1ランク |
(+2ランク) |
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今回、戒告に相当に相当する場合 |
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+3ランク |
(+4ランク) |
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今回、業務停止に相当に相当する場合 |
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今回、免許取消に相当に相当する場合 |
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免許取消し |
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注/過去の処分事由が今回の処分事由と同じ場合は( )内の処分となる。ただし、過去の処分事由が重大な 違反に該当し、今回も「重大な違反」に該当する行為をしたときは免許取り消しとなる。また、過去に2 度以上処分などを受けている場合は加重されるランクをそれぞれ合計して、今回相当とされる処分などに 加重する。