2 最高裁 平成4年10月20日判決 損害賠償請求事件 
           判例時報1441-77
 
 
・ 民法566条3項の規定する1年の期間制限は、除斥期間を規定した
 ものである。
・ 損害賠償請求権を保存するには、売主の担保責任を裁判外で明確に告
 げることをもって足り、裁判上の権利行使をするまでの必要はない。
 
裁判所の判断
 商法526条は、商人間の売買における目的物に瑕疵又は数量不足があ
る場合に、買主が売主に対して損害賠償請求権等の権利を行使するための
前提要件を規定したにとどまり、同条所定の義務を履行することにより買
主が行使し得る権利の内容及びその消長については、民法の一般原則の定
めるところによるべきである。
 したがって、右の損害賠償請求権は、民法570条、566条3項によ
り、買主が瑕疵又は数量不足を発見した時から一年の経過により消滅する
と解すべきであり、このことは、商法526条の規定による右要件が充足
されたこととは関わりがない。
 そして、この一年の期間制限は、除斥期間を規定したものと解すべきで
あり、また、右各法条の文言に照らすと、この損害賠償請求権を保存する
には、後記のように、売主の担保責任を問う意思を裁判外で明確に告げる
ことをもって足り、裁判上の権利行使をするまでの必要はないと解するの
が相当である。
 
コメント
 本判例は、欠陥住宅に関するものではないが、瑕疵担保責任の期間制限
について基本的な点を確認した判例として紹介する。
 判旨は、民法566条3項が定める1年の期間制限は除斥期間であると
し、損害賠償請求権を保存するには、裁判上の権利行使までは必要ないが、
少なくとも、売主に対し、具体的に瑕疵の内容とそれに基づく損害賠償請
求をする旨を表明し、請求する損害額の算定の根拠を示すなどして、売主
の担保責任を問う意思を明確に告げる必要があるとしている。
 実務においては、1年の期間内に、内容証明郵便などで、担保責任の追
及の意思を明確にしておく必要があろう。
  
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