|
|
10月3日(火)、京都弁護士会館で第2回目の懇談を全日本不動産協会とおこな いました。前回(6月9日)、時間不足で討議できなかった《欠陥》の捉え方や原因等 について、今回は話し合いました。6月9日、全日本不動産協会京都府本部と懇談 会を行いました。 大阪地裁 判決 売買代金の返還認められる 冒頭木内弁護士が、9月28日に大阪地裁が出した欠陥住宅訴訟の判決を紹介 木造3階建て住宅を不動産販売会社から購入した会社員が、堺市の調査で『法律上 の構造基準を満たしていないのではないか』との指摘を受け、建築士に調査を依頼。 すると構造基準を満たしていないことが判明し、売買代金の返還を求めて提訴した という事案です。 裁判所は売買代金・鑑定費用の他、慰謝料の支払いも認め、販売会社と社長に 対し約4千万円の支払いを命じました。 木内弁護士は『この判決をみて係属中の裁判・交渉が有利になるのではないかと いう人もいる』とコメントしました。ただし、買主から建築業者に対する不法行為責任 追及が否定された点では問題を残しました。 推測するに、買主は不動産業者に対して完全な住宅引渡を求める権利があるの ですが、建築業者に責任があるとすると、その権利を侵害することになります(第三者 の債権侵害)。その場合には【第三者への積極的害意】が必要という不法行為の一 般理論に引きずられてしまったのではないかと思われます。 住宅の評価をめぐる相違 さて本日の例会のメインテーマは全日本不動産協会京都府本部との懇談です。 協会理事の方からは『(購入者の意識は)中間検査や建築基準法を遵守している ことが価格に関係すると考えていない。主に快適性を重視している』との指摘があり、 他方、建築士の方からは『(良質な住宅)とは何かというところで認識が違う』との感想 が聞かれました。 木内弁護士が『建築士と協会が共同するともう少し良くならないか』と要望を述べると、 協会の方からも『良い住宅を建てていこう、販売していこうということなら関係を密に したほうが良い』との意見が出されました。 そして最後に、京都の景観に話しが及び、協会側から『使用に耐えうる町家住宅を 買いとって、改装の後、中古住宅として販売したところ、高額の不動産取得税が かかった。環境を破壊することなくリフォームしたのに却って税金がかけられるのは おかしい』との率直な感想が出されました。建築士側からは『町家の再生に努力して いる。潤いのある街にしたい』『命がけで街並みを守らなければならない』との決意が 聞かれ、閉会となりました。 白熱した意見から、共同の目標へ 途中では議論が白熱し、弁護士にはしんどい(?)専門的会話が飛び交ったり、協会と 建築士の間で『守れない業者は潰れても仕方がない』『建築士も悪しき代願を止め、 顧客啓蒙活動を』など、互いにシビアな問題提起もありました。 しかし徐々に・・・ @ 準防火地域規制が形骸化・硬直化していること ・施主の希望と現行基準との隔絶 ・町家を壊し、全てサイディングの壁にしかねない中途半端な現在の規制方法 ・構造への意識が高まり中間検査率は上がったのに、準防火規制逃れか、完了 検査率が未だ低いこと 等 A 建築価格決定を縛る経済構造と購入者意識 ・土地込み総販売価格からの引き算でしか決まらない建築費 ・年100〜200件建てる業者は大雑把な原価計算しかしない ・建築基準を守る良心的業者は、土地の安価入手や建物への意識・関心の高 い買主探しで苦慮している現実 ・もはや『苦労して建てるより、いい土地を大手に仲介する方が楽』になりかけて いる ・ ・ などの多くの問題点が浮き彫りになりました。いずれも簡単に解決できる問題ではない ですが、少なくともこの現状認識と、『大手ばかりでは京都の景観は守れない』『建築士& 町の不動産業者・建築業者のタイアップから始めて町家を守ろう』との意見については、 一致が見られ、今後に希望を持てた懇談会でした。 |