11月3日の記録

11月3日 住宅110番開催

 
 
             
                                                 報告      弁護士 神崎 哲
 
  昨年10月と今年3月に続いて、去る11月3日に京都ネット主催としては通算3回目
 の「欠陥住宅110番」を実施した。今回は、弁護士6名と建築士8名が相談に当たり、
 21件の相談が寄せられたが、相談は開始直後とNHKニュースで紹介された昼過
 ぎに集中した。
  21件の相談の概略を紹介したい。
 A)相談内容
  (1)欠陥住宅の相談   15件
  (2)リフォームの相談   1件
  (3)借家契約上の相談   1件
  (4)新築時の留意点の問合せ1件
  (5)その他        3件
 「リフォームの相談」は、ニュース4号でも取り上げた屋根瓦の補修をめぐる問題
 である。注目すべきは「新築時の留意点の問合せ」であり、欠陥住宅被害に遭わな
 いための予防という意味で、今後、積極的に取り組んでいくべき課題であるが、こ
 のような相談が増えることは歓迎すべきことだと思う。
 
 B)欠陥住宅15件の種類
  (1)木 造        5件(うち三階建2件)
  (2)鉄骨造        3件
  (3)鉄筋コンクリート造  2件
  (4)不 明        5件
  木造住宅の相談が多いのは相変わらずであるが、比率的に木造以外も結構相談が
 多かったという印象である。
 
 C)欠陥現象
  (1)雨漏    5件   (2)亀裂  2件
  (3)基礎関係  2件   (4)傾斜  2件
  (5)塗装    2件   (6)建付  1件
  (7)揺れ・振動 1件   (8)床鳴  1件
  (9)設計と相違 1件   (9)その他 1件
  例によって雨漏が多いが、基礎の問題や傾斜等といった重大な欠陥が強く疑われ
 るケースも少なからず見受けられ、事務局や相談部会において、引き続き対応して
 ゆきたい。
 


      11月3日 市民公開講座を開催 

          
 
                     報告   弁護士 草地邦晴
 
  11月3日3時半から、下京区の学芸出版社3階で公開市民講座「欠陥住宅被害
 にあわないための予防と対策」が開催されました。広報が行き届いていなかったせ
 いか、出席者は17名と少し少なめでしたが、はじめてこられた市民の方も多く、
 欠陥住宅の被害例を参考にしながら、家を建て、購入しようとするときのチェック
 ポイントを検討しました。
  講座は、京都ネット会員の寺嶋繁久建築士、松村和夫建築士、木内哲郎弁護士の
 パネラーの話を中心に、質疑応答をしながらすすめられました。
  まず、寺嶋建築士からは、欠陥住宅が増加している社会的な背景について、住宅
 のもつ意味にふれながら話がありました。住宅は、単なる商品ではなくそこに住む
 人々の生活のよりどころであり、家庭をはぐくむものであること、そしてその購入
 がほとんどの人にとって一生のうちで一番高い買い物となるのに、その品質がない
 がしろにされている実態について、わかりやすくお話がされました。
  次に、木内弁護士から、ネットに寄せられた欠陥住宅の被害事例をビデオを交え
 ながら紹介され、原因や対策について解説がありました。紹介事例は、地盤の不同
 沈下により家が崩壊してきた事例、木造4階建で10年後になって傾いてきた事例、
 手で押しただけで揺れる木造3階建て住宅など深刻なものでした。実際に建築され
 ている建物と建築確認図面が違うなど、建築業者の中には建築基準法に対する遵法
 意識が極めて低い者があることなどが指摘されました。また、不幸にして欠陥住宅
 をつかんでしまうと、その被害回復には多大な労力が必要となることや、すでに請
 求先が倒産しているなど被害回復が難しい事例もあることなども報告されました。 
  以上をふまえて、松村建築士からは安全な建物を建てるためのチェックポイント
 を指摘してもらいました。安全な建物を建築するためには、まずその基礎となる地
 盤の調査が必要になります。盛土は不同沈下が生じやすく、地盤不良の場合には改
 良が必要です。その上で、第三者である建築士に監理者としての監視を求めること
 が重要であるとの指摘がなされました。また、耐震力のある安全な建物を建てるた
 めには、金物や、筋交い、接合部分の強度確保を行う等が必要になります。仕上げ
 や内装などは後で変更することもできますが、骨組みを後で変更することはできま
 せん。重要な構造部分には、十分なお金をかけることも必要となります。さらに、
 建物の安全性は維持保全の努力も必要とのことでした。車に車検があるのと同様に、
 家も長期的展望にたった定期的な調査と補修をすることにより長持ちすることにな
 るのです。すでに完成した建物を購入する場合には内部まで十分に調査することは
 困難です。家は買うものではなく、建てるものであるとの認識の転換が必要である
 ということを指摘されていました。 
  その後は、主に地盤に関する問題について質疑応答、討論を行いました。
  安かろう、悪かろうの建て売り住宅が大量に出回っている現状に鑑みると、金額
 と間取りだけで家を購入することはかなり危険です。結局は、建築業者のおかかえ
 ではなく、第三者である建築士に建築の監理を頼むことが一番の対策ですが、それ
 も難しい場合にどのように欠陥住宅被害を回避するのか、今後も情報提供が重要と
 思われました。  
 
 


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