京都新聞1999年12月18日 土曜日 より抜粋
欠陥住宅 上
揺れる、雨漏り・・・苦情目立つ木造三階建て
多い「構造的欠陥が原因」
「部屋が揺れる」「入居すぐなのに雨漏りがする」「家が傾いている」〜。新居を購入したのにそ
の家が欠陥住宅だった、との相談が増加している。昨年四月に開設した「欠陥住宅京都ネット」ヘの
相談も今年は11月末までで百三十件を超えるなど相談件数が急増。特に木造三階建て住宅での苦情が
目立つ。欠陥住宅を取り巻く状況を見た。
大学職員のAさん(33)は1997年8月に1階がガレージの木造三階建て住宅を3920万円で
購入した。入居当初から冷蔵庫が二階に上がらない、扉のサイズが違うなど設計図と異なっているこ
とが発覚。三階の天井が下がったり、階段の奥行きや高さがまちまちであることなども分かった。
業者との交渉が難航したためAさんは弁護士に相談、建築士に家を調べてもらったところ「構造的
にも完全な欠陥住宅で、地震がきたらすぐ倒れる」との衝撃的な結果が出た。基礎幅や壁量不足のほ
か、基礎と柱をつなぐホールダウン金物の欠如などの重大欠陥があったのだ。
業者は補修のみの対応を主張したため交渉は翌年11月まで長引いたが、結局、業者が元値で買い戻
すことで示談が成立、和解となった。事件を担当した弁護士は「同じ業者が建てた隣家も事件になっ
ており、本当に詐欺のようなもんですよ」と憤る。
昨年中(4月から12月)に同ネットに寄せられた相談は三十四件だったが、今年は1月から11月末
までで百三十件にものぼる。同ネットが浸透してきたこともあるが、相談件数は急増している。なか
でも突出して目立つのが木造三階建て住宅への苦情で、全体の半分以上を占める。
「風で揺れる」「雨漏りする」と内容はさまざまだが、「原因は家の構造的欠陥によるものが多い」
と同ネットの木内哲郎事務局長は指摘する。壁量不足や防火性能の欠如のほか、筋交いがなかったリ、
地盤調査をしないために地盤沈下が生じたりと、建物の根本にかかわる重大欠陥も多い。これらは外
から見ても分からないだけにやっかいで危険なものだ。
木造三階建て住宅にこれだけ欠陥住宅が多いのはなぜか。「狭い土地に細長い建物を建てるため、
構造的にも欠陥住宅になりやすい。また不動産業者が仲介手数料として多額の金を取るため、建築業
者に入る利益が少なくなって手抜きされやすいのも要因」と木内事務局長は話す。購入者から「揺れ
る」と苦情があると、「木三は揺れるもの」「揺れるから強い」と答える業者もいる。
チェック体制がうまく機能してこなかったのも一因だったが、京都市は昨年六月の建築基準法改正
に伴い、先月から木造三階建て住宅や病院などの特殊建築物などに対して中間検査の実施を開始した。
木内事務局長は「建物は買うものではなく建てるもの。ある程度購入者も勉強し、建築確認申請や中
間検査、完了検査などの有無を調べてから買うようにしてほしい。早めの相談を」と呼び掛けている。
欠陥住宅京都ネットの連絡先は事務エ075(257)l546(木内法律事務所内)。
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