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欠陥住宅被害全国連絡協議会
◆第8回名古屋大会開催される
欠陥住宅被害全国連絡協議会第8回名古屋大会報告 11月20日と21日に、欠陥住宅被害全国連絡協議会第8回名古屋大会が開かれました。その概要について 報告いたします。(報告者 弁護士 北村 純子) 1.中間検査制度の導入にむけて (1)100自治体アンケートから見えてくるもの 〜 京都府立大学大学院 山根直生氏 今年9月、都道府県、政令都市、中核都市、東京都特別区を対象に下記の質問のアンケート調査を実施し、膨 大な資料を整理の上、その結果を報告されました。 アンケートの内容 質問1 中間検査導入の状況と内容 質問2 4号建築物(註1)への中間検査の「実施内容」もしくは「実施しない理由」 質問3 工事監理契約書の添付の有無 質問4 今回の建築基準法改正に伴う規則や細則の改正 質問5 欠陥住宅被害の予防と救済に向けての取り組みの概要 質問6 三階建て住宅への中間検査の「実施内容」もしくは「実施しない理由」 なお、質問書の配布及び回答書の回収は、欠陥住宅被害全国連絡協議会事務局長 岩城穣弁護士の名で行われ たのですが、回収率は88.8%であったとのことでした。この高い回収率は欠陥住宅被害全国連絡協議会の存在が 社会的に認められてきたことを示す結果だと言えるでしょう。 調査結果ですが、地区により、導入しているか否か、対象建築物は何か等に違いがあるようです。〈公庫上の 中間検査が実施されてい〉〈申請者に検査手数料を強いることになる〉〈職員配置の問題など〉を理由に、中間 検査制度を導入する予定はないと回答した自治体がある一方、4号建築物で検査の特例を受けられる場合でも、 施工不良に対する一定の抑止効果が期待できるので、全て現場審査を行うと回答した自治体(神奈川県)もあり ました。京都、滋賀、大阪等の回答は本ニュース掲載のとおりです。(別項参照) 会場からは、対象行程、検査回数からして、また、すべての場合に現場審査をするものではないこと(検査の 特例)からして、制度の実効性に疑問があるいう意見が出されました。 (2)京都の状況報告 〜 京都ネット 一級建築士 松村和夫氏 重村達郎弁護士による大阪の状況報告に続き、京都についての報告がなされました。松村建築士は、京都市が 11月から中間検査を実施しているが、4号建築物が検査の対象になっていないことから、実際は検査対象である 木造三階建建物を建築するのに、検査対象となっていない建物を建築するとした虚偽の申請が増加するのではな いかとの懸念されました。 また、中間検査制度の実効性の問題以前に、監理建築士がきちんと監理する仕組みが整えられることが重要で あるとの意見を述べられました。 2. シックハウス被害報告 シックハウス被害に遭われてしまった徳田裕三氏(愛知県在住)が、症状や、それまでにされていたデザイン 業も廃業せざるを得なくなったという被害の実状と、現在も続く業者との闘いについて報告してくださいました。 被害の深刻さを痛感させられました。 3.報告書・鑑定書の書き方 一級建築士 平山 建治氏 平山建築士より、実際に自分で作成された調査報告書をもとに、記載項目や、作成上の工夫等につき報告が ありました。(別項参照) 会場からは、弁護士、裁判官にわかりやすいものにするために考えられる方法(欠陥箇所の特定の仕方等) についての意見の他、弁護士も準備書面などで調査報告書の説明をするべきであり、弁護士との役割分担を考 えるべきとの意見も出されました。 4.アピール宣言 指定紛争処理機関の紛争処理の参考となるべき技術基準等について、大会アピールを宣言しました。
欠陥住宅被害全国連絡協議会名古屋大会アピール 本年6月、住宅の品質確保の促進等に関する法律(以下「住宅品質確保促進法」という。) が成立した。同法は、「新築住宅の契約に関する瑕疵保証の充実」、「性能表示制度の創設」、 「性能表示住宅についての紛争処理機関(指定住宅紛争処理機関)の創設」を主要な内容とし ている。 指定住宅紛争処理機関は、建設大臣が、弁護士会叉は民法第34条の規定により設立された法 人について、指定する。(住宅品質確保促進法62条) 日本弁護士連合会は、指定住宅紛争処埋機関の充実発展をめざすことを基本方針とし、現在、 建設省との間で、指定住宅紛争処理機関の体制や紛争処理の参考となるべき技術基準(住宅品 質確保促進法第70条)等についての協議を行っている。そして、全国の各弁護士会の大部分が、 指定住宅紛争処理機関として指定を受けるとの意向を表明している。 紛争処理の参考となるべき技術基準については、「不具合事象と基本構造部の瑕疵の相関関 係に関するガイドライン」が建設大臣告示とレて定められ、住宅紛争処理支援センター(住宅 品質確保促進法第78条)が、「不具合事象の発生原因特定の検査方法」、「不具合事象の発生 原因特定のために必要な機器の使用方法」、「修補工事の実施方法」、「修補工事の費用の積 算方法」に関する技術関達資料集を提供することになっている。 指定住宅紛争処理が、欠陥住宅被害を真に救済することができる機関となり得る否かは、上 記ガイドラインと技術関連資料集の内容の良否にかかっている。 ところが、現在検討されているガイドラインと技術関連資料集の内容、なかんずく「修補工 事の実施方法」の内容は、欠陥住宅被害の救済のためには、いずれも不十分なものであり、極 めて問題であると言わざるを得ない。たとえば、基礎断面寸法等の不足という基本構造部分の 瑕疵が原因と考えられる基礎の沈下の場合であっても、「沈下が既に沈静化していると考えら れる場合は、基礎の天端ならし等の手法も想定される。」とし、補修費用も300万円を上限とす るとしている。しかし、基本構造部分の瑕疵が存在するにもかかわらず、「沈下が既に沈静化 している」との理由で、表面的な修補のみをおこなうことは、建物の安全性確保の観点からも、 交換価値確保の観点からも、極めて問題であるし、被害者の納得も到底得られない。 建設省は、欠陥住宅被害を真に救済することができる指定住宅紛争処理を実現するため、技 術関連資料集案の内容、なかんずく「修補工事の実施方法」案の内容の全面的見直しを行うべ きである。また、日本弁護士連合会及び全国の各弁護士会は、建設省に対し、そのことを強く 要請すべきである。 以上アピールする。 1999年11月20日 欠陥住宅被害全国連絡協議会名古屋大会参加者一同 参考 京都、和歌山、広島の各大会アピールは、ここです。
5.全体について 上記の他、欠陥住宅に関する勝訴判決例や示談成功例の報告(岩城穣弁護士)、日弁連の活動報告(住宅品 質確保促進法等、日弁連土地住宅部会会長 齋藤拓生弁護士)がありました。今回も大変充実した内容の大会 でした。また、今回の全国大会に合わせて愛知ネットが誕生しました。これまで活発な活動をしてきたのは関 西地区の欠陥住宅ネットでしたが、前回の広島に続き関西地区以外に欠陥住宅ネットが誕生したことは大変喜 ばしいことです。今後も各地域の住宅、建築事情に応じた活動がなされるよう、各地域ネットが設立されるこ とが望まれます。 次回の全国大会は、2000年4月頃に札幌市で開催される予定です。